離婚しなきゃいいと思う

昨日は大安吉日の日曜日。

 

まさに結婚式にはもってこいの日。

 

 

そんな日だって関係なく、家でゆっくり過ごしたかったのに私はいとこの結婚式に参加した。

 

 

 

 

「幸せムード全開でまー旦那さんイケメン。年はまさかの私たちより6つ上」

 

 

私はコップに注がれた水を飲む。

 

 

 

「えー、6つも年上?いいなぁ」

 

 

こずえはそう言って半分にしたオムライスを小分けのお皿にのせて私に差し出す。

 

 

「よくない」

 

 

いとこは私と同じ歳。

 

 

そんな彼女に彼氏がいる話を聞いたのは高3の時。どうせ学生の恋愛なんてすぐ別れると思ってたのに。

 

 

 

「普通さ、高3の時に6つも年上の男に告白されたら絶対裏があるって思わない?向こうは24歳だよ?」

 

 

 

私は全く、彼女の結婚というか恋愛が理解できていない。

 

 

 

もちろん、ちゃんと祝福はしている。

 

 

けど、その相手との馴れ初めが気にくわない。
「えー、高3の時からなんだ!」

 

 

 

「そ、出会った瞬間に相手からいきなり告白されて最初は断ったらしいけど結局付き合うことになったんだって。

 

なんか付き合った当初相手の元カノと色々あったみたいだけど別れないで親公認までになってさー。

 

順調に交際を続けていき、みな美…いとこの21歳の誕生日に彼がプロポーズ。その1年後にゴールイン」

 

 

 

私もハンバーグを半分にしてお皿にのせてこずえに差し出した。

 

 

 

 

「つまり、2人の間には固い絆があったわけかぁ〜。誕生日にプロポーズとかロマンチックでいいなぁ〜」

 

 

こずえは羨ましそうな顔をしながら言う。

 

 

ロマンチックって…

 

 

 

「まぁ、幸せそうだったからいいんだけどね」

 

 

でも、私は初彼とそうそう長く続かないだろうな。むしろ結婚までいくわけない。

 

 

 

「いいよね〜結婚」

 

 

「離婚しなきゃいいと思う」

 

 

 

うっとりしているこずえに淡々として言う私。

 

 

 

「もう、沙菜ったらそんなこと言うから彼氏出来ないんだよ」

 

 

 

頬を膨らますこずえに少し胸が痛んだ。

 

「こずえは彼とどう?」

 

 

わざと自分の恋愛話を避けてこずえに尋ねる。

 

 

「今度、一緒に住むことになった」

 

 

「嘘、やっとだね。これ結婚秒読み…結婚出来るよこずえ」

 

 

 

私も自分の恋愛話を言えたらいいのに。

 

 

本当は私にだって、W彼氏Wと呼べる人はいる。

 

 

 

だけど、それは誰も知らない。知ってはいけない秘密。

 

 

「まだプロポーズもされてないし…あ、結婚と言えば、コノハ商事の村岡さんいるでしょ?」

 

 

「うん。彼がどうかした?」

 

 

「昨日奥さんと歩いてるとこ見たんだけど、すごい奥さん綺麗だったの…あ、噂をすれば村岡さん今日こっちに来てたんだ」

 

 

 

社員食堂の入り口に目をやるこずえ。

 

 

自然とそっちに私の目もいく。

 

 

 

村岡さんは私の働く会社の取引先の社員。

 

 

 

「27歳で仕事も順調。奥さんは美人…羨ましい」

 

 

 

ボソボソと言うこずえ。