動揺

────奥さんいる人とWそういうことWはしない方がいいんじゃねーの?…

 

 

 

ぐるぐると頭の中を駆け回る言葉。

 

 

あの男の顔がずっと離れない。

 

 

 

「沙菜ー、今日のお昼外に食べ行かない?美味しいって評判のお店教えてもらったんだけど……沙菜?聞いてる?」

 

 

 

そう言う目の前にいたこずえに驚く。

 

 

 

「え、あ、うん…ごめん。もう一度言ってくれる?」

 

 

 

こずえの話を聞こえないほど私相当、動揺してるんだな。

 

 

 

「どうしたの?体調悪い?」

 

 

 

心配そうに私を見るこずえに首を振る。

 

 

 

「ちょっと昨日夜更かししちゃって」

 

 

 

そう言って笑えば、こずえはホッとする。

 

 

 

 

「そっか。あのね、お昼なんだけど美味しいお店を彼氏に教えてもらったから外に食べに行こうよ」

 

 

「本当?じゃあ、行こうか」

 

 

 

美味しいお店かぁ。

 

それでちょっと気分を良くしようかな。

 

「そこのお店で1番人気はね季節の彩りパスタなんだって」

 

 

 

こずえはスマホの画面でお店を教えてもらった彼氏から送られてきたと思う写真を見せてきた。

 

 

 

 

「へぇ、美味しそう」

 

 

 

「でしょ?お昼時混むらしいから急いで行こう?」

 

 

 

わくわくするこずえに私は笑いかける。

 

 

お昼の時間までまだ3時間もある。

 

 

 

「よし、お昼を楽しみに仕事頑張ろう。ね、沙菜」

 

 

私にウインクするこずえ。

 

 

本当可愛いなぁ、こずえは。

 

 

 

「仕事は1日あるんだから」

 

 

 

こずえの肩を笑いながら叩いて私も仕事を頑張ることにした。

 

 

 

そして、時間はあっという間に過ぎお昼休みの時間となった。

 

 

 

「沙菜!早く早く!」

 

 

 

会社の外へ出れば、こずえは私の腕を引っ張って走り出す。

 

 

そこまで慌てなくても…。

 

 

と、思いつつ転ばないように私も走る。

 

 

 

こずえの言う美味しいお店は会社から走って7分の所にあった。

 

 

 

「さすがにパンプスで走るのはしんどいね」

 

 

 

何とか席に着くことが出来て、こずえは手で足を触りながら言う。

 

 

 

「高校卒業してから運動なんてしてないから本当辛いよ」

 

 

 

私も足を触る。

 

 

でも、こうして美味しいと評判のパスタを食べれるんだから良いか。

 

 

 

「沙菜何にする?」

 

 

 

メニュー表を見ながらこずえは私に聞いてくる。

 

 

 

「やっぱり、こずえの彼のお勧めの季節の彩りパスタにしようかな」

 

 

 

私はメニュー表をパタリと閉じる。

 

 

 

「じゃあ、私もそうしよう」

 

 

 

こずえはそのまま店員を呼ぶベルを鳴らす。

 

 

すぐに店員は来て、私たちは注文を済ませて料理が運ばれてくるのを待つことにした。